椿の島の散歩道

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揺らぐ「日本一のツバキの島」

2017.11.10日|カテゴリー:利島だより

利島が今、
33年ぶりの村長選で
静かにざわめいています。

美椿の故郷、伊豆七島・利島が今33年ぶりの村長選(長年対立候補者が無く、無投票が続いていた)ということで、少々話題になっています。

新聞などでもめずらしく「利島」の名前が見出しとなり、初めてその存在を知った方もおられるかもしれません。

 

その記事では、

 

「1時間半ほど歩けば1周できる、ヤブツバキの森に覆われた小さな島だ。人口322人」(朝日新聞17.11.8)

「島内には二十万本以上のツバキが育ち、日本有数のつばき油の生産地をして知られる」(東京新聞17.11.6)

「断崖絶壁に囲まれた島は約20万本といわれるツバキ林に覆われ、ツバキ油の生産と漁業が産業の柱」(産経ニュース17.11.8)

 

のように、「小さな島」というイメージから想像しにくい規模の「ツバキ」が、名実ともに島の象徴的存在になっていることがうかがえます。

 

事実、そのヤブツバキから採取される「ツバキ油」(国産藪椿油だけが名乗れる原材料名)の収量シェアは、利島がほぼ日本一という状況が長らく続いています(年によって微妙に変化はありますが)。

 

ところが、その座がいま少し揺らぎ始めています。

 

利島のツバキを残すために

 

ひとつは、夏場にヤブツバキの葉を食べつくす害虫の大量発生による結実量の減少。

 

これは、昨年(2016年)夏にかなりマズイことになっていて、今現在、原料不足も招いていますが、原因が害虫の発生量なので、ある意味一時的な問題と言えなくもありません。

 

もうひとつは、後継者の不足

これこそが、恒久的な問題であり、利島のツバキ産業存亡の危機と言える大問題なのです。

 

「後継者不足」、つまり「若い世代がいない」ということなのでしょうか?

 

実は、

「近年は高齢化が進む一方、若い世代の移住者も増えており、・・・」(産経ニュース17.11.8)

 

というように、現地はいわゆる過疎のような印象は無く、小さいながらも、子連れのファミリーが行き交ったりと、どこか横浜郊外あたり(山坂が多い)の町内のような雰囲気も漂っています。

 

ですが、そういった「若い世代」の方たちは、公的業務などに従事されるケースが多いですし、利島で育った子どもたちの殆ども、もう長らくの間、義務教育(島内には小中学校のみ)を終えると島外の高校〜大学に進学していくため、構造的に伝統的な椿産業の後継者が現れにくいという悩みがあります。

 

利島の椿農家の仕事は、夏場の「シタッパライ(キッパライ)」と呼ばれる下草刈りや、害虫駆除(利島は基本、農薬が使えない)、「トリッピロイ」と呼ばれる地面から落果実を選別しながら拾い集める収穫作業という、なかなかに体力が必要な作業です。

 

現状は、高齢女性を中心に、他に仕事を持っている方たちも協力しあいながら頑張っていますが、作業の担い手不足ということだけでなく、「寿命」を迎えつつある多くの樹木の更新が進まないことで、単純に収穫可能な実の量が減りつつある、という解決しないといけない課題も抱えています。

 

利島出身の椿本舗代表は、利島のヤブツバキ油製品の付加価値を上げ、それを広めることで、将来的にこうした課題が克服できるよう下支えしたい、という思いで事業に取り組んでいます。

 

 

※(参考リンク)↓こちらの利島の紹介番組(NHK 約3分)で、ツバキ農家の様子が描かれています。 
 http://www2.nhk.or.jp/archives/michi/cgi/detail.cgi?dasID=D0004500020_00000

by 美椿project

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